目やまぶたがかゆくなります。目が充血し、まぶたが腫れぼったくなります。かゆいので目をこすったりかいたりすると、角膜(黒目)や結膜(しろめ)にキズがつき、目がゴロゴロしたり痛みが出たりします。さらに進むと、結膜の周辺が赤紫色になり、ネバネバした目やにが出てきます。
アレルギー性結膜炎の治療は、原因となるアレルゲンの除去がもっとも効果的です。しかしアレルゲンが存在しない世界というのは考えられませんから、まず点眼薬を使って治療します。
点眼薬には様々な種類がありますが、その中の一つに抗アレルギー点眼薬があります。抗アレルギー点眼薬にはヒツタミンH1拮抗点眼薬とメディエーター遊離抑制点眼薬の2種類がります。ヒスタミンH1拮抗点眼薬はかゆみを引き起こすヒスタミンの作用を直接阻止するので、主にかゆみの強いときに処方されます。
メディエーター遊離抑制点眼薬はヒスタミンなどを増やさないようにする作用がありますが、効果が現れるまで2週間くらいかかるため、症状が現れる前から使い始めることがあります。抗アレルギー点眼薬は比較的副作用の少ない薬です。使用は勝手に中断することなく医師の指示に従って使用してください。
また重症になると副腎皮質ホルモン(ステロイド)点眼薬が用いられます。この薬は作用が強くよく効きますが、副作用もありますので、医師の指示に従ってください。
症状・治療法は上記のアレルギー性結膜炎と同じです。
花粉症の原因となる代表的な植物は、スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギなどです。
花粉症の原因となる植物は約60種類といわれていますが、風によって花粉が運ばれるという共通点があります。日本は南北に細長く、土地によって花粉症の原因植物は異なり、花粉の飛散時期が異なります。また同じ植物でも北と南の地方では飛散時期が異なります。
花粉の飛散時期には花粉から遠ざかることが第一です。しかし現実には花粉の完全シャットアウトは不可能なので、医師の指示に従って抗アレルギー薬などを使用してください。
メディエーター遊離抑制約はヒスタミンを増やさないようにする作用がありますが、効果が現れるまでに2週間くらいかかりますので、花粉が飛散する2週間くらい前から点眼を開始しすることで、飛散期間中の症状を軽減することができます。 そのため当院では早めの受診をおすすめしています。
ドライアイは、涙液の減少あるいは質的な変化により目の表面に障害を生じる疾患です。
涙が足りないと涙の役割が低下するので、目は乾いて傷つきやすい状態となり、重症になると眼の表面に無数の傷がついてる場合もあります。
普段の生活に少し気をつければ眼の乾きを軽くすることができます。しかし症状が強い場合や長引く場合は目にキズが付いている恐れがありますので、ご来院ください。
今、VDT症候群といわれる新しい病気が増加しています。
VDT症候群とは、VDT(パソコン・テレビゲームなど)を使った長時間の作業により、目や体、心に影響がでる病気で、別名テクノストレス眼症とも呼ばれています。
1日の連続作業時間が長くなるほど、目に関する訴えが多くみられます。ひどくなると近視、角・結膜炎、ドライアイなどの目の異常とともに、額の圧迫感やめまい、はきけまで起こすこともあります。
VDT症候群にならないために「適度な休憩」や「体操」、「度の合ったメガネ・コンタクトレンズの使用」などの普段からの予防や対策に努めて目をいたわりましょう。
それでも異常を感じる場合は、ご来院ください。特にドライアイや緑内障の方は過度なVDT作業で症状が悪化する危険性がありますので、早めにご来院ください。
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。
一般的に緑内障では、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気が激しい症状をおこします。時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
多くの場合、自覚症状がない緑内障に対して、最も重要なことは早期発見・早期治療です。一度障害された視神経をもとに戻す方法はなく、病気の進行をくい止めることが目標となります。したがって出来るだけ早期に緑内障を発見し、治療を開始することが大切です。
緑内障は「眼圧検査」「眼底検査」「視野検査」などで診断されます。定期検査などでいずれかの検査に異常があった場合は、必ずもう一度眼科医の診察を受けるようにしましょう。
明るい所や白い壁、青空などを見つめた時、目の前に虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見えることがあります。
視線を動かしても一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗い所では気にならなくなります。このような症状を飛蚊症といいます。
飛蚊症の原因は、眼球の硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質に生じた「濁り」です。明るい所を見た時にその濁りの影が網膜に映り、浮遊物が飛んでいるように見えるのです。この「濁り」には、生理的な原因によるものと、病的な原因によるものがあります。
生理的なものは健康な目にも起こる現象のため症状が進まない限りあまり気にしなくてもいいでしょう。ただ飛蚊症に気が付いたら、まず生理的なものか病的なものかは自分で判断せず、検査に来院してください。
加齢黄斑変性とは、眼球の黄斑部の機能が、加齢などの原因によって障害される疾患です。病名の通り加齢が原因ですので、年をとれば誰にでも起こりうる病気です。
黄斑部は網膜の中でも視力を司る重要な細胞が集中している部位で、物の形、大きさ、色、立体、距離など光の情報の大半を識別しています。この部分に異常が発生すると、視力に低下をきたします。
また黄斑部の中心には中心窩という部分があり、その部分に異常があると、視力の低下がさらに深刻になり、失明という事態を招きかねません(※加齢黄斑変性における失明は「社会的失明」と呼ばれます。視野の中心の視力は失われるものの、光を全く感じられなくなるわけではありません)。
加齢黄斑変性は脈絡膜から発生する新生血管(脈絡膜新生血管)の有無で「滲出型」と「萎縮型」に分類されます。
加齢黄斑変性は網膜の中心部である黄斑部が傷むのが原因です。そのため、物を見ようとしたときにその中心部が最も影響を受けます。進行と共に次のような症状が現れます。